全数検査、抜取検査、無試験検査、間接検査

検査の種類には、全数検査、抜取検査、無試験検査、間接検査があります。

この記事ではこれら4つの検査の違いについて書きました。

全数検査

製品すべてを検査するのが全数検査です。

全数検査を行うべき場合は、1個でも見逃しが許されない場合ですね。自動車のブレーキなどのように、不具合があった場合に消費者に大きな被害を与えるような場合には、全数検査を行うことになるでしょう。

または、全数検査が簡単にできるときにも、全数検査がなされます。

たとえば、機械やコンピュータをつかって自動で検査ができるのであれば、全数検査をします。自動でできるのだから、すべて検査してしまえばいいのです。

たとえば、食品製造では、包装後に金属検出機を通過させ、金属片が混入していないかどうかの検査を行います。これは、機械をつかって工程内で自動で検査ができてしまいます。

また、とても金属片が混入していると危険ですから、検査の重要度も非常に高いので、必ず全数検査を行います。

抜取検査

製品ロットすべてを検査するのではなく抜き取った一部だけを検査し、そのロット全体が合格か・不合格かを判定する方法が抜取検査です。

検査することによって、製品が壊れてしまい使用できなくなる破壊検査をする場合、抜取検査をすることになります。全数検査をしたら、すべての製品が壊れて使いものにならなくなってしまいます…。

破壊検査とは、製品に力を加えて強度を確認するような検査です。

条件として、次のことが必要となります。

  • ロットのなかに不良品の混入が許容できること
  • ロットを代表するサンプルが抜き取れること
  • あらかじめ明確な基準を設定しておくこと

必要な条件の一つ目は、ロットのなかに不良品の混入が許容できることが必要になります。製品すべてを検査することはできないので、いくらかの不良品が混ざっていても大丈夫ということになっていないといけません。

1個たりとも不良品があってはならない製品の場合には、できない検査です。

たとえば、ネジの製造メーカーでの最終検査を考えてみます。ネジ1000本を出荷するときに、すべてのネジが使用可能品かどうか一本ずるチェックするには、かなりの労力を必要としますね。

ここで、たとえば50本抜き取って、そのうち○○%以上が良品であれば、出荷可能とする、といったことをあらかじめ設定しておきます。

こうすれば、全数検査をするよりも、検査の労量は大幅に削減できますし、ある程度の数は検査しますから、そのロットが不良品が多いロットがどうかといった点は知ることができます。
いくらかの不良品が混ざってしまうことには目をつむるというわけです。

二つ目の条件は、ロットを代表するサンプルが抜き取れることです。ロットから抜き取ったサンプルは、ロットを代表するものでなくてはいけません。そうでなく、抜き取ったサンプルが偏ったデータばかりになっていると、そのサンプルで判断した結果は、ロット全体の

サンプリング方法には種類がありますから、その場合に適した方法を検討する必要があります。

三つめの条件は、あらかじめ明確な基準を設定しておくことです。

製造メーカーの最終検査を抜取で行うのであれば、上記したことを、自社と顧客の間で事前に取り決めして、明かくにルール化しておきます。

無試験検査

無試験検査とは検査を省略し行わないことです。品質情報から、製品に不良がなく安定しているとわかる製品にたいして行う検査です。

間接検査

間接検査は、仕入れ先の業者の検査成績書を確認することによって仕入れ品の受入検査を省略する検査です。

仕入れ先の業者(供給者)で、検査をし合格したこと、合格したことを書類等で確認できることが、無試験の条件です。