製品・サービスの品質は、それがあるかないかで顧客がどう捉えるかによって、
- 当たり前品質
- 魅力的品質
- 一元的品質
- 無関心品質
- 逆評価品質
に分けることができます。それぞれ順番に説明していきます。
当たり前品質
当たり前品質とは、顧客が「あって当たり前」と思う品質です。
認識、意識すらないことがあるかもしれません。たとえば、あらゆる製品が安全であるべきですが、安全は顧客が当たり前のこととして求めていることでしょう。
車のブレーキが効かないことなどありえません。電子レンジが爆発するのもありえませんし、ジェットコースターの車輪が外れることもありえません。車のブレーキはよく効き、電子レンジは爆発しないですし、ジェットコースターは脱輪することはないはずです。
これらは当たり前のことですね。
あるいは、現代では、コンビニは24時間開いていることも、当たり前の品質かもしれません。
魅力的品質
魅力的品質とは、なくても不満はないが、あると満足するものです。
車のブレーキが効くのは当たり前ですが、スマートフォンをコードでつなぐとスピーカーから相手の声が出て、スマートフォンを耳にあてずに、話ができる機器が備わっていたらどうでしょう。
「あら、こんな機能があったのね。」と驚き、喜んで使いますね。
こういったものは、あったらとても便利でいいのですが、別になかったとしても、顧客の評価が下がることはないでしょう。
服を買いに店に行ったときに、店員さんがこちらのニーズをつかんで、適切な商品を紹介してくれたとしましょう。
私は、店員さんがそうしてくれるとは思っていなくて、別になにも提案してきてくれなくてもいいのですが、そういったことがあると、ありがたいと思います(ただし、こちらのニーズをつかんでいればですが)。
一元的品質
一元的品質とは、無いと不満で、あるとウレシイ品質です。
車でいうとカーナビがこのあたりでしょうか。カーナビを搭載しているのはふつうのことなので、これがないと不満になります。つかいやすいカーナビがついていると、ありがたいですね。
恋人からの誕生日プレゼントがそうかも。ないとまあ腹が立つかもしれませんね。あるとウレシイです。相手の評価が上がります。もらえることがふつうになってしまうと、当たり前品質になってしまうかもしれないですね。
無関心品質
無関心品質とは、満たされても満たされなくても、うれしいわけでもなく不満なわけでもない。あってもなくてもどちらでもいい品質です。
熟年夫婦で相手に関心がなくなっている関係では、相手から誕生日プレゼントをもらったとしても、なんにも感じないかもしれませんね。あってもなくてもどうでもいいといった具合です。
逆評価品質
逆評価品質とは、満たされると評価を下げる品質です。それがあると逆にダメだということです。
服を買いに店に行ったときのことを例にとってみると、ゆっくり服を見たいのに、あれこれと話しかけてきたり、私がとくに気にしていない、服の生地がどうのこうのとか、流行がどうのこうの言われると、対応するのがめんどうで嫌になってしまいます。
それがあることによって店の評価が下がり、欲しい服があっても買わずに店を出ることもあるかも。
私は、生地とかよくわからないし、流行もどうでもいいので、店員さんがせっかく話してくれても右から左に抜けています。生地にシワができやすい生地かどうか、洗濯機でガンガン洗って大丈夫か、といったことなら興味があるのですが。
ケンカ中の夫婦で相手に腹が立っているときには、相手から誕生日プレゼントをもらったとしてたら、「いらないよ」と怒ってしまうかもしれませんね。あると相手の評価が下がる逆品質です。むしろ、ないほうが満足します。