問題解決をする方法として、QCストーリーと呼ばれるものがあります。
QCストーリーは主に2種類あり、
- 問題解決型QCストーリー
- 課題達成型のQCストーリー
に分けられます。それぞれに問題解決をしていくための手順、流れがあります。
2つのQCストーリーがどのようなものなのか、どのように活用できるのかを説明していきます。
問題解決型のQCストーリー
問題解決型のQCストーリーは、まず問題ありきです。
現状の問題点、悪いところ、不満などの分析から出発し、次に、データに基づいて現状の問題を明らかにし、原因を調べて明確にします。
その原因にたいして何をするのか、対策を考案し、実施します。このような流れで問題の解決をしていくのが、問題解決型のQCストーリーです。
問題解決型のQCストーリーの流れ
- テーマの選定
- 手順の把握
- 現状の把握
- 目標の設定
- 原因の解析・分析
- 対策の検討
- 対策の実施
- 効果の確認
- 標準化と管理の定着
- 活動の反省と今後の対応
問題解決型のQCストーリーには、原因確定型と対策先行型があります。上記したように、まず原因を特定してから対策を講じるのが原因確定型で、原因を確定する前に、対策を講じるのが対策先行型です。
対策先行型では、「これが問題を引き起こしているのではないか」と思う原因がいくつかあったら、そのどれが一番の原因なのかを探る前に、対策を講じて結果を見てみます。
原因を特定してから対策をとるのが通常の流れですが、原因の詳細やメカニズムがわからなくても、なにか対策をとってみて結果がよくなるならば、それはそれでOKなのです。
参考記事 統計学で分析をすれば原因のメカニズムがわからなくても問題解決ができる
その場合は、原因について、はっきりとはわからないままだったりします。
対策の効果確認以降については、問題解決型も課題達成型のQCストーリーでも同じです。下記の課題達成型のQCストーリーのところで説明します。
課題達成型QCストーリー
課題達成型QCストーリーは、現状の問題点から出発するのではなくて、自分または組織が ありたい姿、理想像を描き、そこに到達するためには、なにをすべきなのかを考え、実行していく方法です。
問題解決型QCストーリーとはアプローチが異なっています。
問題解決型では、得られる成果は、現在の延長線上のものとなります。
しかし、課題達成型QCストーリー新たなやり方を見いだすとか、これまでにない飛躍した成果を得たいときに活用をします。理想からスタートするので、アプローチが異なっています。
課題達成型のQCストーリーの流れ
- テーマを決める
- 攻め所と目標を設定する
- 成功シナリオの追及、対策の立案
- 成功シナリオの実施、対策の実施
- 効果の確認
- 標準化と管理の定着
- 活動の反省と今後の対応
こうなりたい、こうありたいと思う姿を設定する。そして、こうありたい姿と現在の姿を比べるとどうか?そのギャップを明らかにします。
ギャップから、どこに重点を置いて、やっていくか、このギャップを埋めるために何をすべきかという点を考えます。これが、攻め所と呼ばれるものです。
この攻め所が重要です。ここがダメだと、後にやることすべてがダメになります。うまくいきません。
対策を考えるときには、一つだけの対策にこだわったりせず、発想を自由に、数多くの案を出して、そのなかで、より効果的な対策を選んで、絞りこんでいきます。
対策を実施して成功をするためのシナリオを描きます。ありたい姿を達成するための道筋が成功シナリオです。
選んだ方策に関して、具体的なやり方を手順を検討します。また、なにか問題となることが発生しないかを考え、予防策を用意しておくなど、リスク管理も行います。
方策を実行したあとは、効果の確認です。効果確認は数値データを見て行います。数値で確認しないと、この方策には効果があったかな~となんとなく言って、本当に効果があったのかどうか実はわからんといった具合になってしまいます。
最後に、効果があったら標準化を行い、他の誰でもできるような仕組みをつくります。また、今回のQCストーリーの内容を顧みて、よかった点や悪かった点をまとめるなどして、今後の対応・活動につなげていきます。