変化点とは、製造工程において、なにかを変化させたときのことです。
工程の中でなんらかの変化が起こると、そこで不具合、失敗などの問題が起きやすくなります。
変化点で不具合や失敗が起きないように、通常レベル以上に管理を行うことを、変化点管理といいます。
問題発生後の原因追及や、問題の予防をするときには、この変化点を意識します。
- なにが変化したから問題が発生してしまったか?つまり、何が原因であったのか?
- なにが変化するときに問題が起こりそうか?
を「4M」で考えることができます。
4Mとは
4Mとは、
- 人 Man
- 機械 Machine
- 材料 Material
- 方法 Method
の頭文字をとったものです。変化点について、この4つの点で考えることができます。
4Mに関して何か変更をするとわかっているときには、管理レベルを上げるなどの注意が必要です。
人 Man
新人であったり、作業をする人が変わったりして、初めてその作業をすることになった人は、当然、失敗を起こしやすいです。
同じ仕事場で働いていても、いつもは携わっていない作業をやるとなると、うっかりとミスをしてしまうかもしれません。
機械 Machine
機械や器具を新しいものに変更した、いつもは機械をつかっていない製造ラインで機械をつかって製造することになった。ある製品を製造するときに、今日だけは通常とは異なる製造ラインで、製造をすることになった。
こういったときにも不具合が発生しやすくなります。
材料 Material
原材料に変更があると製品に与える影響があるでしょう。
新しく変更した原材料で量産をすると、なにか不具合があらわれてくるかもしれません。
方法 Method
製造方法を変更したときにも不具合が起こりやすいです。
いつもとは違う作業、作業者が不慣れな作業をやるのですから、不具合、失敗の発生がしやすいでしょう。やはり注意が必要です。
4Mが変化する時には慎重になるべき
日常業務でこういった変更があったときには、製品不具合、失敗、事故が起きやすいです。
変化が起きることが事前にわかっているときには、既にあるマニュアルを見直して、変更後に対応できるようなマニュアル事前に作成し、作業担当に説明し、変更をしても問題が起こらないようにします。
事前にわかっていなくて急きょ変更をすることになった場合でも、ゆっくり、慎重に仕事を進めていくことです。
日常業務の小さな変化点でも意識をする
大きな変化でなくて、日常で起こる些細な変化であっても失敗は起きやすいので、注意をすべきです。
そういった“ちょっとした変化”や、“いつもと少し違うこと”があったときに失敗をします。
たとえば、工場で交代制で仕事をしていて、作業者の入れ替わり。これは、日々あるちょっとした変化です。このタイミングには失敗が起きやすくなります。
前任者がある仕事を途中までしていて、後任者がやってきました。仕事を引きついだときに、
「これはここまで終わらせたよ」
「これはまだやっていないよ」
「これはこうなっているから注意しておいてね」
といった連絡事項がおろそかになると、後任者が失敗を起こしてしまうことがあります。
私は、工場で品質管理の仕事をしていたことがありますが、作業者が交代するときの連絡不足によって、後任者がやるべきことをやらず失敗をしたのを何度も目にしました。
また、ある作業をいつも行っている人がいなくて、他の人が行ったときによくわかっていなくて失敗をしてしまった…といったこともよく見かけました。
日常の業務のなかにも小さな変化は多数あります。そういった変化点では、不具合発生、失敗発生をさせないために、よく見る、よく確認する、よくコミュニケーションをとるといったことをすべきでしょう。