チェックシートとは、その名前のとおり、チェックをつけてデータの集計を行ったり、またミスを無くすためにチェックをし記録するものです。
チェックシートの目的・用途には、
- 記録する
- 点検や確認をする
があります。
記録用のチェックシート
ひとつは、データを記録し活用することを目的として、検査や計測などの結果をわかりやすく記録するチェックシートです。
あるいは後で何か問題が発生したときに見返すための記録です。
工場で製品不良となった要因を記録するとしましょう。
不良品を見つけたら、その要因をカウントしていきます。
次の表のように、カウントするときには、縦に線を入れていき、5個目は、その縦の線を串刺しにするように線を書きます。
・製品不良の要因
1つの塊で5個分です。日本では「正」の字でカウントしたりするのも、よく行われますよね。
点検・確認用のチェックシート
もうひとつは、作業の手順に間違いがないか、実施事項すべておこなったかどうかなど確認するための、点検・確認用のチェックシートです。
確認したい事項を並べた表です。
工場で仕事を終えて、退出するときのチェックシートをつかうとしましょう。片付けるべきものを片付けたのか、機械を停止してあるかなど、確認します。
・工場退出時のチェックシート
チェックシートはちょっとしたシンプルなものでもOKです。むしろシンプルな方がいいです。
項目を確認してチェックをつけていくだけで、作業漏れを防ぎ、 正しい作業と良い結果を得られるようになります。
シンプルなチェックシートは活用しやすく威力を発揮します。項目数も多く使いづらい複雑なチェックシートだと、上手く活用されず、効果を発揮しづらいですから、シンプルで使いやすいチェックシート作成をしましょう。
まあ、点検・確認したいことであれば、色々なことに使えると思います。
目的が重要。なんのために使うのかを考える
なんのためにチェックシートをつかうのか。
これをよく考えてから、チェックシートを活用し始めるべきです。チェックをつけるのは簡単かもしれませんが、毎日つけるチェックシートなら、毎日その作業が発生してしまいます。
直接的に、なにかモノを生み出したり、価値を生み出すものではありません。
何にどのように役立つのか。
仕事の話ではなくて、個人的なチェックシートですが私事を。
仕事場を去る前に、環境や機器の確認などすべきことがあります。色々確認をしてから、仕事場を去らなくてはダメなのです。この確認に、チェックシートを使っています。
ふつうの人は使う必要がないので使いません。
それなのに使う理由は、私がとても心配症で、家に帰る途中や帰った後に「あれは、きちんとやったっけ・・・?」と心配になってしまうことが多々あったからです。それで、ひどいときは、会社に戻って確認したりしてました。で、行ってみると、きちんとやってあるのですから無駄足になります(単なる心配性です)。
仕事場を去るときに、チェックシートにチェックをつけて、チェックシートを持って家に帰ります。後から「あれは、きちんとやったっけ・・・?」と心配になってしまっても、チェックをつけた紙を見れば、確認したことがわかるので、安心します。
仕事場に戻らなくてすみますね。まあ、チェックシートをつけ始めてから、その安心感からか、そもそも心配になるようなことがほとんどなくなりました。
私にとって、チェックシートをつけるのには数分かかって手間がかかるけど、そのぶん安心感を得る、仕事場に戻らなくてすむという効用があるのです。
自分で使うぶんには、その効用を理解して使うからいいのですが、注意したいのは会社などで部下や他部署の人など、他人にチェックシートを活用してもらうときです。
使う人に目的を理解してもらうことが重要
チェックシートなんてものは、✔、✔、✔、✔、✔、・・・とチェックをつけていくだけですから、項目を読まず、よく確認もせず、✔、✔、✔、✔、✔・・・と連打してしまう人もいるはずです。
その人にとっては、チェックをつけるのは手間なだけで、効用がないのかもしれませんね。
会社やチームにとって、必要なチェックシートであるなら、そのことをしっかりと説明して理解してもらうことです。
たとえば「これで確認漏れがあるとめちゃくちゃ大きな損害が発生する可能性があるからチェックシートをつけているのだ」などです。目的があるはずなので丁寧に説明します。
目的を説明できない…。もしそうだとしたら、チェックシートをつかう意味がないと言えるでしょう。
使用を止めてよいかもしれませんね。だって、目的を説明できないのですから…。