人生ではじめて宝くじを買ったときのこと。
その宝くじ売り場の看板には、「出ました!大当たり!2等・5500万円」と大々的に宣伝文句が書かれていました。
売り場にひっきりなしにやってくるお客さんを見て「宝くじを買いに来る人がこんなにいるのだなぁ」と思ったのでした。
「この売り場から1等が出ました!」「この売り場からは高額当選がよく出ます!」といった掲示は、宝くじ売り場でよく見かますよね。
特定の売り場で買うと当たりが出やすいことはあるのでしょうか。
売り場によって当たりやすさが違うことはあるのでしょうか。
実は、どこの売り場で買うと当たりやすいとか、当選確率が上がるとか、1等が出やすいか、そんなことはありえません。
でも、世の中には当たりを量産している売り場が存在しています。その売り場から当たりの宝くじがよく出ているのです。
これはどういうことか。
答えは、その店の販売数が多いからでしょう。販売数が多ければ、そのぶん当たりが出る数も増えます。
たとえば、東京にあって人が多いところにある宝くじ売り場と、ど田舎にあって人が少ないところにある売り場では、販売数が相当変わってくるはずです。
- 東京の売り場では、販売数が多いので、売り場からは当たりが出る回数が多くなる。
- ど田舎の売り場ではほとんど売れないので、当たりが出る回数が少なくなる。
というだけです。
宝くじがよく当たる売り場として紹介されるのは、すべて大都市にある売り場ではないでしょうか。
ポイントは、販売している数が多いだけであって、売っている宝くじのなかで、当たりくじの割合が多いわけではないことです。
買う人にとって、当選確率が高いわけではないのです。
高額当選がよく出る売り場があったとしましょう。
売り場に置かれている1枚1枚の宝くじ。他の売り場に比べて、当たる確率が大きいわけではありません。
一度大当たりが出ると、「あの売り場で当たりが出たぞ」といって押し寄せてくるお客さんが増えますよね。すると販売枚数も増え、その売り場自体からは当たりくじが出る数が多くなっているだけです。
買う人の当選確率は変わりません。
「宝くじがよく当たる売り場はどこにあるのか?」
この問いの答えは、
「そんな売り場は、どこにもない」
です。
高額当選した宝くじの数だけでなく、分母である販売数にも着目しなくてはいけません。
高額当選の宝くじが出た数ではなくて、高額当選の宝くじが出た割合を見るべきです。
しかし、そんなこといっても、当選番号が決まるのは、販売期間を過ぎてからです。事前に当選番号が決まっていて、当たりくじが特定の売り場に配布されているわけではありません。
ある特定の売り場で売られている宝くじが当たりやすい、そんなことはありえないわけです。