ホットハンドの誤謬とは




ランダムな現象において成功が連続すると、その後の試行でも成功が続くのではないかと考えることをホットハンドの誤謬といいます。

よくバスケットボールでのシュートがとりあげられます。試合中にシュートを決め続けている選手は、その後もシュートを連続で決め続ける可能性が高まっているはずだ、という考え方です。

これまで連続で決め続けてきていて、調子がのっているのだから、この後も連続で決め続けるだろうということですね。プレーヤーたちもそう思うから、シュートをよく決めている選手には、パスがよく回されます。

人間の感覚では、成功と失敗が交互か、あるいはそれに近い状態で発生するのが自然に感じます。ですから、連続でシュートを決めているということは、偶然ではななくて、連続でシュートを決めるなんらかの要因が働いているのだ、と思ってしまうのです。それが選手の調子のよさだったりするのです。

しかし、本来は、その選手の実力でのシュート成功率があり確率として決まっているわけです。ランダムな追試の試行において、さらに成功を続けるだろうと信じてしまうことは間違いだろうというのが、ホットハンドの誤謬なのです。

実際には、ランダムに発生するものごとであっても、成功が連続することもあれば、失敗が連続することもあり、連続するシュート間に相関はないわけです。

こういったホットハンドの誤謬という考え方があるのですが、一方で、最近のバスケットボールの研究ではホットハンドを支持する結果も得られています。

たしかに、コイン投げやカジノゲームなどの確率で決まるゲームとは違って、バスケットボールなどスポーツでは、プレーヤーの心理面が作用するようにも思いますね…。

たとえば、ミスをすると精神が乱れてミスがミスを呼ぶようなことはありそうです。こういったことは普段の仕事でも感じる人は少なくないと思います。その逆である成功が成功を呼ぶのもありそうな気がするのですがどうなのでしょう…。

コメント

  1. 太郎 より:

    こんにちは。
    実際問題、シュート成功率って確率に支配されてるわけでなくて、プレーヤーの技量ですし、文中にもあるように心理面の影響もかなり多いでしょうね。
    完全に50%のコイントスで、連続的中させたからといって、調子がいいから次も当たる! と思うのはオカルトであり、これはホットハンドの誤謬ということになりそうです。