余事象とは、「その事象が起きない確率」であり、A という事象があったら、A 以外のできごとのことです。余事象を使うと手間がかからず確率の計算をすることができます。
現実の世界でものごとを考えるときにも、余事象を活用できることがありそうです。
今、あなたは結婚するか・まだしないでおくかを迷っているとしましょう。占ってもらい答えを出すことにしました。
占い師には、
- 占い的中率60%の老人占い師
- 占い的中率30%の青年占い師
がいます。老人のほうが経験があるぶん的中率が高いのです。占ってもらうのに、どちらの占い師に頼んだほうがいいでしょうか。
ふつうに考えれば、「占い的中率60%の老人の占い師」に占ってもらおう、となりますよね。
でも、ここで余事象の考え方をつかえば、もっとかしこい選択ができます。反対の余事象の立場から見てみましょう。占いが外れる確率はこうなります。
- 老人占い師の占いが外れる確率は、40%
- 青年占い師の占いが外れる確率は、70%
です。
的中率30%である青年占い師の占いが外れる確率は、つまり余事象が起こる確率は70%です。外れる確率が高いです。
どちらの占い師に占ってもらうかを考えるとき、余事象の考えを取り入れれば、青年占い師に占ってもらったほうがよいことがわかります。
この青年占い師に、結婚するべきか否かを占ってもらう。そして、その答えの逆の行動をとれば、70%の確率で正しい道を選べるわけです。
青年占い師が、「結婚するほうがよい」といったのであれば、本当に結婚したほうがよい道となる確率は30%です。余事象の結婚しないほうがよい道となる確率は70%ということなります。
結婚をしないほうがよいと考えられますね。占いの結果とは逆の行動をとったほうがよさそうです。
なぞなぞのような話ではありましたが、このように余事象をつかうことによって、ものごとの考え方が広がります。