無作為化とは、実験を行うときに、位置や順番を無作為に配置することです。フィッシャー3原則のひとつです。
実験者が気が付いていないなんらかの影響があっても、無作為にして実験をすることで、その影響が偏ることを防ぎます。
ある治療法の試験をするとしましょう。治療法A、治療法Bの2つのうち、どちらが優れているのかを比較するとして、対象者をランダムに治療法Aの対象者、治療法Bの対象者の2グループに分ける。
これが無作為化です。
治療法A、治療法B以外の要因が、2つのグループの間で均等に分かれることを目的としています。言い換えると、2つのグループの間で、Aの治療法とBの治療法の違い以外は、違いがないようにするのです。
たとえば、年齢のことを考えてみると、治療法Aのグループの年齢構成と、治療法Bの年齢構成は同じようにすることが望まれます。
仮にどちらの治療法も、年齢が低い人にたいして、より効果があるものであるとして、もしも、治療法Aのグループに年齢が低い人が偏り、治療法Bのグループに年齢が高い人が偏っていたらどうでしょうか。
治療法Aのグループのほうが、治療の効果が見られそうですが、その結果が治療法Aの効果なのか、それとも年齢が低かったからなのか、なんともいえないわけです。
無作為化して、2つのグループの年齢構成が同じか、かなり近いものであればどうでしょうか。2グループの間で、治療後の結果に差が見られた場合に、それは年齢の影響ではなく、治療法Aのほうが効果があったからだと言うことができそうです。
無作為化すれば、年齢だけではなくて、実験者もわかっていないような要因すべてが、AグループとBグループで均等に分けることができ、治療法Aと治療法Bによってつくられる結果の違いだけを比べることができます。