他人の分析結果を見るとき、分析者の利益になる結果であれば注意して見る




他の人がつくった分析結果を見るときには、なんらかのバイアスにかかっていないかどうか注意して見る必要があります。もしバイアスのある分析結果であれば、信頼できるものではないからです。

バイアスとは、こちらの記事を参考にしてください。

参考記事 統計学のバイアス(偏り)の意味

分析者、また分析の資金提供者にとっての利益が優先されていないかどうかという視点で、バイアスがあるかどうかを注意すべき場合があります。

分析者の利益になる分析結果であるとき

ある会社が分析の結果を公表している場合、その会社から物を買ったりサービスを買ったりすること良いと思わせるような結果になってるかどうか、です。

会社から出ている研究・分析の結果というのはどれも当てはまってしまうような気もするのですが、それはそうなのかもしれません。自分たちの商品やサービスが、他のものよりも優れているという研究・分析結果を出しはするけれども、仮に研究・分析の結果で優れていないという結果が得られたとしたら、公表しないかもしれませんね。公開しても不利になるだけですから、わざわざ出す理由がありません。

たとえば、ある会社が公開した研究・分析結果で、「文字など情報を見るときに、紙媒体とディスプレレイでは、紙媒体のほうが情報を理解させるのに優れている」といった内容を目にしたことがあります。

もし、この会社がディスプレイだけの商品・サービスを扱っているのであれば、この研究・分析結果を公表しないようにする力が働きそうですね。公表しても、自分たちが不利になるだけですから。

研究・分析の資金の出所の利益になる分析結果であるとき

もう一つはその研究や分析の資金の出所がどこなのか、そして、その出所にとって有利に働くような分析の結果になっているかどうかです。

ある会社から提供された資金で、研究・分析を行ったら、その会社にとって不利になるような結果は公表しにくくなりますよね。公平な分析方法でなくなるかもしれません。

注意深く分析結果を見る

他人の分析結果を見るときには、

  • ある会社が分析の結果を公表している場合、その会社から物を買ったりサービスを買ったりすること良いと思わせるような結果になってるかどうか
  • その研究や分析の資金の出所がどこなのか、そして、その出所にとって有利に働くような分析の結果になっているかどうか

を見るようにします。もしこのようになっているのであれば、少し注意深くなったほうがよいかもしれません。

この場合に、すべての研究・分析結果にバイアスがあるわけというわけではありません。しかし、どこかから資金を出してもらった場合の方が、資金提供者が有利になるような分析結果が出やすい傾向があるようです。