クジ引きの条件付き確率。先と後、どちらに引いたほうがいいのか




2人でクジ引きをするときに当たりを引き当てるには、先に引いたほうがいいのか、後に引いたほうがいいのか、どちらなのでしょうか。

条件付き確率でどっちのほうが有利なのかを考えてみます。

先に引いたほうがいいのか、後に引いたほうがいいのか

箱の中に10個のクジが入っていて、そのうち2個が当たりです。これを2人で順番に1個ずつ引くとしましょう。10個のクジがあって一人目が1つのクジを引いた後にはそのクジは戻さないものとします。

このときに先に引いたほうがいいのか、それとも後に引いたほうがいいのでしょうか。どちらのほうが当たりが出やすいのでしょうか。

10個のクジのうち2個しか当たりがないのですから、後から引いたほうがいいような気がします。

しかし、残りものには福があるともいいますし・・・。

二人目が当たりを引く確率を計算してみる

一人目の結果によって二人目が当たりを引く確率が変わる

一人目は、10個のクジの中に2つの当たりがあるのですから、2/10 の確率で当たりクジを引くことができます。これはわかりやすいです。

しかし、二人目が当たりを引く確率は一人目の結果によって変わってきます。10個のクジがあって一人目が1つのクジを引いたときにクジは戻さないのですから、一人目が当たりを引くと当然ながら残りの当たりクジは少なくなります。

二人目は2パターンが考えられます。一人目が当たりを引いた場合と引かなかった場合ですね。

一人目が当たりの場合

パターン1は、一人目が当たりを引いた場合です。二人目が引くときには、9個中1個の当たりクジになっています。このときには、一人目が当たりを引き、かつ、二人目も当たりを引くという条件付き確率を計算します。

$$P(A∩B)=P(B)×P(A|B)$$

一人目がクジを引くのがB、二人目がクジを引くのは「Bという条件付きのA」という確率です。

  • 一人目が当たりクジを引く確率は、2/10の確率
  • そのうえので二人目が当たりを引く確率は、1/9 の確率

ですから、その両方が起こる確率(一人目当たり → 二人目当たり)は、

2/10 × 1/9 = 2/90 の確率となります。

一人目がハズレの場合

パターン2は、一人目が当たりを引かずハズレクジを引いたのであれば、二人目が引くときには、2/9 の確率で当たりクジを引けます。

これも同様の計算をします。

  • 一人目がハズレクジを引く確率は、8/10の確率
  • そのうえで二人目が当たりクジを引く確率は、2/9の確率

ですから、その両方が起こる確率(一人目ハズレ → 二人目当たり)は、

8/10 × 2/9 = 16/90 の確率となります。

2つのパターンの確率を足し合わせる

2つの事象があって、それらが排反事象であるとき、 2つの事象が起こる確率は、それぞれが起こる確率を足したものになります。

加法定理

\(A∩B=\phi \) ならば(AとBが背反である場合)

$$P(A∪B)=P(A)+P(B)$$

※\(\phi \) は空事象のことであり、決して起こらない事象のこと。

二人のクジ引きでは、

  • 一人目が当たりの場合
  • 一人目がハズレの場合

の2つのパターンが考えられました。

この2つは排反事象ですから、それぞれの確率を足し合わせれば、2回目に当たりを引く確率を計算できます。

  • パターン1の確率・・・ 2/90
  • パターン2の確率・・・ 16/90

ですから、

2/90 + 16/90 = 18/90

=2/10

二人目が当たりクジを引く確率は、2/10であり、一人目と同じであるとわかりました。

クジを先に引こうが後に引こうが、有利・不利はありません。どんな順番で引いても、当たりクジを引く確率は同じになるのですね。

友人と一緒にクジ引きをすることがあってお、先にクジを引いたほうがいいのか、後のほうがいいのか悩む必要はないわけです。

確率については、こちらの記事もぜひ参考にしてください。加法定理を説明しています。

参考記事 確率の加法定理の2つの事象の場合、3つの事象の場合

こちらの記事では、条件付き確率について説明しています。

参考記事 条件付き確率について子供が男の子であるか女の子であるかの確率で考える