和事象 A∪B、積事象の A∩B について考えるときに、ド・モルガンの法則と呼ばれる式が成り立ちます。
ド・モルガンの法則
ドモルガンの法則は次の式です。
( A ∪ C )c = Ac∩ Cc
( A ∩ C )c = Ac∪ Cc
言葉で説明するとこうなります。
( A ∪ B )c = Ac∩ Bc・・・「AまたはBでない」は、「Aでない、かつ、Bでない」と同じである。
( A ∩ B )c = Ac∪ Bc・・・「AかつBでない」は、「Aでない、または、Bでない」と同じである、ということになります。
これらの二つの式は、∪ と ∩ を入れ替えただけです。
男性であるか学生であるかどうか
例として、男性であるか、学生であるかどうかの話をしましょう。
- 男性で学生である
- 男性で学生ではない
- 女性で学生である
- 女性で学生ではない
の4パターンがありますね。
( A ∪ B )c = Ac∩ Bc
「AまたはBでない」は、「Aでない、かつ、Bでない」です。
男性または学生である以外の人
=男性ではない、かつ、学生ではない人
(=女性、かつ、学生ではない人)
ベン図を描くとこのようになります。色塗り部分が該当します。
男性または学生である以外の人とは、男性は対象外、学生も対象外です。となると、女性で学生ではない人が該当します。
( A ∩ B )c = Ac∪ Bc
「AかつBでない」は、「Aでない、または、Bでない」です。
男性かつ学生である以外の人
=男性ではない、または、学生ではない人
(=女性、または、学生ではない人)
ベン図を描くとこのようになります。色塗り部分が該当します。
男性かつ学生である以外の人とは、男性かつ学生の両方である人が対象外となります。女性で学生の人、女性で学生ではない人、男性で学生ではない人、が該当します。
もうひとつ例を見てみましょう。
車とバイクを持っているかどうか
車とバイクを持っているかどうかをみると、
- 車とバイクを持っている
- 車は持っているが、バイクは持っていない
- 車は持っていないが、バイクは持っている
- 車とバイクを持っていない
の4パターンがあります。
( A ∪ B )c = Ac∩ Bc
「AまたはBでない」は、「Aでない、かつ、Bでない」です。
車またはバイクを持っている以外の人
=車を持っていない人、かつ、バイクを持っていない人
( A ∩ B )c = Ac∪ Bc
「AかつBでない」は、「Aでない、または、Bでない」です。
車とバイク両方を持っている以外の人
=車を持っていない人、または、バイクを持っていない人
となります。
命題を否定すると、「または」は「かつ」に変化し、「かつ」は「または」に変化します。