規定打席に未満の野球のバッターの打率は、なぜ認められないのか大数の法則で考える

大数の法則とは、試行の回数を増やしていくほど、結果は本来の確率に限りなく近づいていく法則です。

コイン投げの結果は本来の確率に収束する

コイン投げをするとします。表面が出る確率は50%のはずですが、最初投げ始めたころには、裏面ばかりが連続で出るかもしれません。あるいは、表面のほうが多く出るかもしれません。これはよくある話です。

この時点では、表面が出る確率は50%とはいえないような状況です。しかし、さらにずっとコイン投げを何度も繰り返し続けていくと、次第に表面が出た割合は50%に近づいていくようになります。大きな数の法則にしたがうのです。

その打率はバッターの本来の実力?

野球選手の打率について、大数の法則で考えてみましょう。

もともと補欠で試合に出ることは無かった選手が、シーズンの終盤になって試合に出られるチャンスが巡ってきました。出場した試合では調子がよい日ばかりで、ヒットをたくさん打ちました。シーズンを終えてみると、10試合出場、30打席で0.333の打率を記録しました。

ふつう野球選手の打率は、3割を越えたら優秀な成績とされますし、 3割3分を越えたらトップバッターですよね。この選手は、トップバッターに仲間入り…なのかというと、それはちょっと違います。この0.333の打率は、本来の実力ではない可能性が高いです。それは打席に立った数が少なすぎるのが理由です。

本来の実力が2割5分の打率であったとしましょう。2割5分はさほど高い打率ではありませんが、それであっても、10試合だけ試合に出たときに、たまたま調子がよくて、高打率に達してしまうことがあるでしょう。

打率0.250で30打席をシミュレーション

ためしにエクセルで、0.250の確率でヒットを打つとして、30打席後の打率がどうなるかのシミュレーションをしてみました。 ※ 0.250の確率で“ヒット”が出て、0.750の確率で“アウト”の文字が表示されるような細工をほどこしました

アウト、ヒット、ヒット、アウト、ヒット、ヒット、アウト、アウト、ヒット、ヒット、アウト、アウト、アウト、ヒット、アウト、ヒット、アウト、アウト、ヒット、ヒット、アウト、アウト、アウト、アウト、アウト、ヒット、アウト、アウト、アウト、アウト

このような結果になりました。30打席中、11本のヒットで、打率は 0.366 です。

打席数が少ないうちは、本来の実力である 0.250 の打率とはならず、高い打率になったり、逆に低い打率になったりします。しかし、打席数が増えるにしたがって、調子がよいときも悪いときも、運がよいときも悪いときも経て、本来の打率に収束していくはずです。

これは大数の法則と一緒ですね。打席数が試行回数であり、試行回数を増やしていけば、打率という確率は、本来その選手の実力どおりの値に収束していくわけです。

野球にも規定打席というルールがありますよね。一定の打席数まで達しないと、打率を正式な成績として認めないルールです。

その数は、試合数×3.1のようです。1年のシーズンを通してみると、おおよそ440打席です。そこまで打席が達していれば、たまたま調子がよかった、運がよかったといったことが多かれ少なかれあるにせよ、その選手が本来持っている実力での打率となるだろうということです。

本当の実力のある選手は、スランプになりそうだと感じたときに、調子を落とさないように修正できて、長期でみても高い打率を維持できるのでしょう。

上記したエクセルのシミュレート、本来0.250の確率でヒットを打つとして、30回分行いましたが、続けて440回分まで行ってみると、打率0.254という結果に落ち着きました。

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