確率の基本的な公理について書きました。
どのような事象Aでも、確率はP(A)は 0~1 の間になる
\(P(A)\)は必ず、0 から1 の間の数値になります。
$$0≦P(A)≦1$$
\(P(A)\)とは、Aが起こる確率を表す記号です。
確率を英語で probability。この頭文字をとって、\(P\)が使われています。
確率がP(A)=0であれば、Aは絶対に起きない、P(A)=1であれば、Aが絶対に起きることを表しています。
%で表すとするならば0%から100%であり、100%を越えることはないです。
「120%そうだろう」、「2万%ありえない」など言う人もいますが、そのような確率は存在しませんから、確率論的にいえば、その言葉がありえません。思い切り強調したいときに使う表現なだけなのはわかりますが。
すべての事象をSとしたら、Sの確率は1 になる
すべての事象をSとしたら、Sの確率は1 です。
$$P(S)=1$$
すべての事象を合わせれば、それが起こる確率は必ず、1 になります。
コイン投げを例してみます。コインを投げて出てくる面が表(H)になるか、裏(T)になるか見てみるとこい、表(H)が出る確率は0.5、裏(T)が出る確率は0.5です。事象はこの2つしかありません。
この2つのことが起こる確率、つまりすべての事象の確率は、0.5と0.5を足して1 になります。
$$P(H)+P(T)=0.5+0.5=1$$
また、事象Aと事象Aが起こらない確率を合わせると1となります。事象Aがおこらない確率は「Ac」や「A’」と表記します。
$$P(A)+P(A^c)=1$$
またしてもコイン投げを例にすると、表(H)が出る確率は0.5、表(H)が出ない確率(=裏(T)が出る確率)は0.5ですよね。
表(H)が出る確率と、表(H)が出ない確率を合わせると、0.5と0.5を足して1 になります。
$$P(H)+P(H^c)=0.5+0.5=1$$
加法定理
AとBの2つの事象があり、これらが排反事象であるとき、 「AまたはBが起こる確率」は、Aが起こる確率と、Bが起こる確率を足したものになります。これを加法定理といいます。
\(A\cap B=\phi\) ならば、
$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)$$
排反事象とは、同時に起こらないという事象のことで、\(A∩B=\phi\) と表記します。
\(\phi\)は空事象のことで、決して起こらない事象のことを指します。
\(A∪B\)は、AまたはBという意味
\(A∩B\)は、AかつBという意味
です。
また、事象AとBが排反事象でなく、共通部分があり重なっている場合はどうでしょうか。
共通部分とは、たとえば、トランプを1枚めくったら「数字の7である確率」、「ダイヤ♦である確率」は、共通部分がありますよね。ダイヤ♦の7 が出たら、この2つの事象が同時に発生したことになります。
共通部分があるのですから、排反事象(\(A∩B=\phi\))ではないということです。
\(P(A∪B)\)の確率を計算するには、ダブっている共通部分だけ差し引いてやる必要があるので、
$$P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B)$$
となります。